今でも思い出すのです

海外と日本が好きな 学生です

留学がつらい人もいる

留学をしてつらい思いをしている人、もしくはした人、いらっしゃると思います。

 

理由はいろいろだと思う。英語が思った以上に話せなくてつらい、英語以前に外国人とうまくコミュニケーションが取れなくてつらい、外国人っていうか日本人ともなんかノリが合わなくてつらい、日本にいる家族や恋人や友達に会いたくてしょうがない、土足でシャワーでパン食の生活がつらい、人間関係、衛生面、勉強、気候などなど留学先の環境に依って様々なつらさがあるはずで、それは留学ならではの悩みであったり、実は環境の変化は関係なくて自分自身がずっと抱えている悩みであったり、様々だろう。

 

そしてそのつらさの先には、自ら望んで来たのにつらいなんて言ってはいけない、お金をかけて(もしくは両親やまわりの人にかけてもらって)きているのに、来たくても来れない人もいるだろうにつらいなんて贅沢だ、つらいことを頑張って乗り越えないと留学じゃない、友達をたくさん作って英語を伸ばして価値観を塗り替えるような体験をして帰らないと友達に誇れない、このままでは帰って家族や友達にどんな話をしていいかわからない、しんどかった話しかないのはかっこ悪い、わたしは一体なんのためにここに来たんだ... という自己否定が待っている。

 

 

 

苦しい方へ。まず、自分へのハードルを下げてほしい。今まで暮らしてきた土地を出て、母語の使えない国で生きているだけですごい。あなたはすごいし、素晴らしい経験をたった今しています。出国しただけで新しい経験がたくさんできるなんてお得。とりあえずは特別なことをしなくても、必死に生活しているだけで経験、吸収、成長だから。自分では全くそう感じないかもしれないけれど。焦らずにそのまま、そこでただ生きてください。

 

まわりに、日本人とはつるまず英語をたくさん話して上達して、パーティーに参加して異文化を学び、友達をどんどん増やしている日本人の留学仲間がいるかもしれない。過去イギリスに留学していたころのわたしがそうだった。その後別の国に二回目の留学をし、楽しかった思い出とは裏腹に閉塞感に苦しむ4か月を送ることになるのだが、その話はまたの機会に。

 

そういう風に過ごしている方、素晴らしいと思う。なにより留学をめいっぱい楽しんでいるのがいい。楽しいときはおのずと前向きになって、どんどん新しいことに挑戦できるから。

ただ、わたしが留学経験を踏まえて絶対に忘れてはいけないと思うのが、留学の目的は人それぞれであるということ。

英語を伸ばしたい、外国人の友達を作りたい、外国に拠点を構えて簡単にいろんな国を旅したい、海外でしかできない勉強がある、仕事の都合で短期的に英語を伸ばす必要がある、海外に住むのがずっと夢だった、仕事を辞めて次の職を見つけるまでに語学検定の資格を取っておきたい、などなど。

そして明確な目的がない人も実はたくさんいて、なんとなく、留学かっこいいと思って。楽しそうだから。そんな感じでふらっときて、しんどくなる人もいれば、思いのほか馴染める人もいれば、なんとなく来ちゃったから馴染めないんだけど、うまく自分の居場所を見つけて(日本人コミュニティで過ごすとか、現地で恋人ができるとか、一人旅しまくるとか)満足して帰っていく人もいる。

 

そうだ。大事なのは、自分が納得し、満足し、自分を認められるかだ。

 

英語を話せるようになりたくて、外国人の友達を作りたくて、異文化に触れたくて留学に来ているとしたら、日本人コミュニティに入って常に日本人どうしでいるような、たまに日本人と連れ立って行ったパーティーで外国人と英語を話しているような生活では目的を達成できない。「(自分にとって)間違った」留学と言ってしまってもよいだろう。しかし外国に住んでみたくて、留学そのものに憧れていたからやってみたくて、という人ならずっと日本人とつるんでいたって問題ない。本人が納得しているなら、そして何より留学を楽しんでいるのならそれで、本当に、なんの問題もないのだ。

 

自分が何を目的に来たかもわからない人は、ここで迷うことになる。日本人と一緒にいて日本語を話していることに罪悪感を抱いたりする。やるべきことをやっているという満足感がない。自由が多すぎて、何をすべきかわからなくなる。ほかの留学生がみんな立派に見える。後ろ向きになり始めたらあとは滑り台で、自分がいる場所の気候とか食事とか国民性とか学生なら学校の質とかすべてが嫌になってくる。日本は綺麗だし便利だしトイレタダだし最高じゃん帰りたい、ってなる。

 

目的をもって日本を出よう。なんでもいい、アメリカンジョークを何個言えるようになる!でもいい。友達何人作る、でも、何か所旅行する、でも、一言でいいから一年で500人と会話するとかどうかな。目的があるということは、やるべきことがあるということだから。やるべきことがあれば、人はおのずと動き出すし、動き出している自分をきっと好きになれるんじゃないか。

 

逆に目的がなくてやるべきことがないというのが、国内外問わずすごくつらくて、自分を認めてあげられない状態だと思う。少なくともわたしにとってはそうで、何もやることがないときが本当につらい。フラストレーションばかりが溜まる、頑張っていないのにしんどくて、ストレスが溜まって、こんなに怠けているのにストレスが溜まっている自分への嫌悪、今の自分には悩む資格もないという気持ちでいっぱいになる。わたしは何をやっているんだろう?って。じゃあ何か始めればいいのに、後ろ向きになってからでは身体が重くなっているんですよね。

 

だから、目的をもって。今まさに留学中、目的は特にないという方がもしいれば、今からでもいい。なにかやるべきことを探しましょう。もう遅いんじゃないかっていう発想はいつもただ足を引っ張るから、無駄なことなんて何もないんだって、何もしないよりいいんだって信じてゆきましょう。もし今日が留学最後の一日でも、帰国前にしたいこと一つ決めて、達成して帰りましょう。なんでもいいよ。自分で決めたことを達成することは、過去の自分に応えて過去の自分を救うことだから。

 

 

留学についてはわたし自身思うことがたくさんありまして、ただ留学してよかったと思っていて、留学っていう言葉が大好きなぐらい楽しい思い出です。

4ヶ月の留学を二回経験して、一度目は30日×4か月間ずっと楽しくて仕方なくてこれからの人生すべてがうまくいくような気がした。二度目は答えのないようなつらい気持ちになって、一度目とのギャップにも苦しんだ。でも、それでも来てよかったと思った。

 

二度目の留学中にしきりに思い出したのは、一度目の留学で出会った人の中で、留学がつらい、帰りたいと言っていた数人のこと。そのときわたしは彼らにいくつかの言葉をかけたり遊びに誘ってみたりして、それは良かれと思ってやったことだったけれど、そしてあのときのわたしができることとして間違ってはいなかったと思うけれど、だけどつらい人の気持ちに寄り添えてはいなかったなと二度目の留学で自分が苦しいときに思った。必ずしも同じ気持ちになることはなくて、心に余裕がある立場から手伝えることがあるんだけど、ただ気付きとして、自分がつらいときは同じように悩んでる人の気持ちを慮れるんだなって。そうでないときは楽しいことに夢中でできなかったりするんだなって。

だからできるときに、苦しい気持ちを覚えているうちに書いておこうと思って、まとまりのない文章になりました。

 

 

自分を認めてあげられるように、しっかり食べて良く寝て頑張ろう。日本の中でも外でも。