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ガールズバンドSHISHAMOがすごい

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SHISHAMOというガールズバンドをご存知でしょうか。

ご存知でしょうか。と偉そうに尋ねるような知名度では、彼女たちはとうにないんだけれど。

 

知名度もすでにあるし知らない人もググればわかるし、そもそもわたしは曲が好きというのが最初にあってアーティストの経歴にはたいして興味と知識が無いのでSHISHAMOの経歴紹介などはここではしませんが、もしこの記事を読んで少しでも興味をもったらSHISHAMOでググってワンフレーズでいいから視聴してみてください。そして魅了されてほしい。曲を聴いたら心躍るし歌詞を知ったら彼女たちを好きになるから。ただのお洒落で若くて等身大で甘酸っぱい若者の気持ちを歌い上げるだけのバンドじゃないからSHISHAMOは。曲と声から女の子の、というか彼女たちの意地と本音を感じます。

 

 

まずいきなりですが、わたしが一番好きな曲を。一番と言いつつ一曲選べないんですが、「旅がえり」「冬の唄」「ごめんね、恋心」が大好きです。めっちゃ聴いてます。あとめっちゃ歌ってます。「ごめんね、恋心」なんか出だしから「もう決めた」を「も~~~~ぅ……お~~~~~……、き、め、た~~…」ってめちゃめちゃじんわり歌うから難しいんだけど、歌うのが好きな人間としては難しいっていうのも歌いたいポイントになる。チャレンジしたい的な。あと独特の歌い方の箇所ほど真似するの楽しいし。

次点で「第3ボタン」「みんなのうた」。タイトルからしてもあざといというか、ありがちそうなのが多いんですよねSHISHAMOは。例えば「みんなのうた」だと、可愛い感じのタイトルに合ったポップなイントロから始まって、歌詞の内容も「誰もわたしが頑張ってるのを知らなくたって、鏡の前で笑顔つくって、今日も頑張ろう!」みたいなの。ぼんやり聴いているとその曲調と耳に入ってきやすい歌詞から判断しがちなんだけど、実際はもう少し深い。SHISHAMOはいつも予想より少し深いところを的確についてくる。ただ頑張ろうって思ってるだけじゃなくて、自分を支えられるのは、助けられるのは、前に進められるのは自分しかいないってことを知っていて、だから、他人に向かってではなくまず、鏡の中の自分に向かって笑って、頑張ろうなんです。頑張ろうというか、そうして頑張るしかないんです。そういうことをちゃんと歌ってくれるから、こちらは勝手に歌詞にシンパシーを感じるし、自分に向けられてるって思う。誰でもない想像上の女の子ではなくて、SHISHAMOの曲を聴くすべての人に届けられている曲だと感じるのです。

 

 

ここまで紹介したのと違う曲の中から、今度は好きなフレーズを。

”夜中に電話たくさんしたのが悪かったのね /夢のはなし”

これ、設定されてるシチュエーションじたいはありきたりだなぁと思うし、個人的には好きじゃないんですよ、好きすぎて鬱陶しいぐらい電話してしまう女の子って、というか、そういう女の子を描いているのって。わたしは、女の子が弱くてちょっと鬱陶しいけど可愛い存在みたいに描かれている状況がすごく苦手なんですね。自分がそうなりきれないから嫌なのかもしれない。でも電話したくて鬱陶しがられたくなくてでも電話してしまう気持ちもわかる。実際かけるかは別として、それはわたしが知っている種類の気持ちだなと思う。

で、どうしてこのシチュエーションは嫌いなのにこの歌詞が特別好きとかいうひねくれたことになっているかというと、”夜中に電話たくさんしたのが悪かったのね”って認めているのが好きなんです。”いつだって声が聞きたかった 悪いこと?”と続くので開き直ってる感はあるんですが、とりあえず、わたし電話かけすぎてうざかったよねっていうのを認めて、自分でわかっている。このわがままな感じ、でも、「鬱陶しがってるけど本当は嬉しいんでしょ?しつこく電話してるってことは、わたしがあなたを好きってことだから」っていう自分を正当化したわがままとは全然違う。「本当に迷惑なのはわかってるけど、これやってたらそのうち嫌われるんじゃないかって、そもそも迷惑がってる時点でわたしのことそんなに好きじゃないんじゃないかって、わかってたけどやめなかった、電話したかったし、これぐらいいいかな、まだ大丈夫かなって思ってた」って感じ、雑な感じ、なんとなくで距離感計ってたら、結局自分の都合の良いように解釈しちゃってて、相手は思ってたより嫌がってた感じ。この人間ぽいわがままさを、このフレーズから感じます。

 

もう一つ好きなフレーズを。

ところでこれ、読んでる人楽しいですか?わたしはめっちゃ楽しいです。

”一体この先あとどれくらいそばにいれるんだろう/冬の唄”

これは先ほど一番好きな曲にも挙げた「冬の唄」の歌い出しなんですけど、しかもイントロなしでこのフレーズから曲が始まるんですが、ぐっとくる。タイトルにもある通り曲調全体が冬っぽい曲で、冬の帰り道に、どこからどこまででもいいけど一人の帰り道に聴いたら誰もが心にぐっとくる瞬間があると思う。恋人に限らず大切な人と、家族と、友達と、好きな人と、先生と、ご近所さんと、一体この先あとどれくらいそばにいれるんだろう?

二番では、”いつでもそばにはいれないし そんなことちゃんと分かってるよ”SHISHAMOはいつも、現時点で彼女たちがわかってるところまでは全て歌にしてくれる。見えないふりはしません。かっこ悪い感情も誤魔化したい事実も歌ってくれるの、それってすごく、曲を聴く人の気持ちに寄り添うことだと思います。

 

最後に、もう一曲おすすめさせてください。

SHISHAMOの曲はわたしの分類では大きく「恋愛ソング(片思い多め)」と「頑張るソング」に分けられるんですが、毛色の違う曲も何曲かありまして、その中で今ちょっと嫌なことがある人におすすめしたいのが「行きたくない」。タイトルからして嫌そう。行きたくないって言ってるし、曲聴いたら実際学校行ってないし。曲を聴いたら学校が嫌で休んじゃってなんだかんだずっと行ってなくてどうしようっていう歌なんですけど、学生に限らず嫌なことがある人にはリアルな歌だと思う。嫌な気持ち、焦る気持ち、開き直る気持ちがリアルに歌い上げられている。そして歌の中でなにも解決していないけど、現実もそういうものだよなって思える。でも行きたくないってこの歌と一緒に口に出せば、気持ちが少し動くんじゃないかと思います。

 

今のところSHISHAMOはアルバム4枚とシングル5枚出てるんですが、もし初めて聴いてみようという方がいれば最新アルバムの「SHISHAMO3」をおすすめします。ダウナーな曲がほかのアルバムと比べて少なめで従来のSHISHAMOっぽさには少し欠けるかもしれませんが、イントロから引き込まれる曲が多く、SHISHAMOに魅了されるにはもってこいの一枚だと思います。ミュージックステーション初登場の際に歌った「君とゲレンデ」も入ってます。というか、単純にわたしが一番好きなアルバムです。

 

ちなみにわたしがSHISHAMOにハマったのは一年ぐらい前で、ライブにはまだ一度も行けておらず彼女たちを生で見たのは二年前の大型音楽フェスで初めて見て「君と夏フェス」ええやん、と思ったのが今のところ最初で最後です。機会があればライブ行きたいけど、やっぱりわたしは彼女たちのというより彼女たちのつくる楽曲のファンだから、ライブに行けなくても、SHISHAMOが歌ってくれれば、その曲を聴くことで満足できる気がするよ。